冗談ばなし
休閑地の
 案内え
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 大阪人は冗談(ジョーク)が好きで どんな席にでも冗談がでていました。 根が笑うことと 笑わせる
ことの好きな人種なのです。 若い仲間うちでも、笑はせるのが上手な人は人気者で、 「あいつは偉い、
大したやっや」と、 褒め上げられていました。
 冗談や笑はせ話は、 聞いたままで可笑しいのが普通ですが、 洒落や、なぞかけの混じえた話しをす
る人があり、 通じるのに、一瞬か二瞬の 間 が空きます。 その 間 が長いと話しがすえる(腐る)ことで
もあり 「分からんやっちゃ」 とさげすまれます。
 間を空けず、誰よりも早く笑うのが、 「聞き上手の芸のひとつ」 と言われていました。
つまり、 冗談を冗談らしく上手に聞くのも芸のうちなのです。 
 冗談を理解しない人は 人間でないように言われます。  人間であっても下等になります。
 他の地方では、「大阪の人は、吉本喜劇のおひざ元なので、皆さん面白い会話をする」と、風評ですが、
それを、毎度とも訂正しています。 
 「大阪人が面白いから、吉本が根付いておれるんだ」 と、 まぁ どちらでもよいことですが。
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.  都会の中の大衆酒場でなく、 2-3駅出ますと、おばさんが店主の居酒屋が、裏通りや路地の奥にあっ
て、 苦心して決めた屋号を呼ばずに、 「後家バー とか 汚いバー」 と呼ばれ、その名のほうが通り名
になる店もあります。  大抵はL字形のカウンターに 背もたれのない腰掛け
が10こ程で、 何かの拍子で客が多いときは 一斉に立ち上がって半身の
構えになり、 隣り合う客同士で背中と腹をくっつけて、片手だけを使っての
みます。 「誰か早う帰れや」 といいますが そんな時には聞く人はないも
のです。
かと思うと、だぁーれもこない日もあって店主は「坊主やった」と嘆きます。.。
そんな日に電話で客を集められるのは、やり手 と言われる、ママさんの店で
常連の客すじも うかがえます。
 普段は4-5人の入りで、店も小じんまりなので、酒の入った話し声はどの客に
も聞こえます。 
 客はお互いに馴染で、なかに話し好きが1人2人はいて、店が混む時には、
 「尻が長い」 とうとまれ、 暇なときは重宝がられたりしていました。
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.. 当時はカラオケのない時代なので酔客同士が政治家になったり侠客になったり 自慢を含めてしゃべくる
のを楽しんでいました 時には度がすぎていがみ合う事もあったのですが 「酒の話」と言うと納まって
いました
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 客の中には 店の表に立って話し好きの人の声が聞こえると入って、声がしないと他の店に行くと言っ
た人もいて、 話し好きは、客に人気があったのです。 
 たまには、後で入って来た客に 「あんた さっきの店でもその話しをしをしてたやないか」
と言われ、 「相手が変わるからええんや」と、 しゃーしゃーと言います。 
  (しゃーしゃーは 悪びれもなくで いけしゃ-しゃ-とは言いません)
受けた話は、何度でも使ってみたくなるようです。 
 ここで一席終わったら、このネタを引っ提げて、3軒目にハシゴするかも知れません。
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 「今日の新聞を見たか」と、記事の一部を掘り返して、  
 「あんたどう思うか」 とか 「おかしいと思うやろ」と、話の仲間に
引き込み、相手がのってくると、持ちネタを披露する人がいます。
 隣の酔客に、  
 「あんた死んだことあんのか」と、聞かれて、
にわかに話し出せる話ではないので、普通は逃げるが
 「ある」と、
答える人がいた。 
 この人は持ちネタを披露したくて、うずうずしていたところへ、撒き餌もしないのにチャンスが、向こう
からやってきたと、内心ほくそえんでいるようでした。
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 「小学生だったが、親の金を盗んで駐在所に連れていかれ巡査から  
  サーベルを見せられ、ブタ箱に入れてやる と腕を引っ張られた
  ときに心臓が止まった あの時に一回死んだ」
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と言う筋書きの つくり話しを、おかしく間合いもあって話します。 
もう、何回も使いまわしてきたようで つぼを心得ているのです。      
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会社の先輩にも持ちネタ派が居られました、 その人は真面目な話し方で、 相槌がなくても次第に調子
よく話してくれて聞き手も、 ついつい、のせられて それからと言う感じになります。
天保水滸伝の黒駒の勝蔵が得意でした。
. . 「あんた黒駒の勝蔵を知ってるか」
と、持ちかけてくるのへ、ついこの前に聞いた。 とは言えずに、 聞かせられたとがあります。、
......「あんたもネタ話を一つ二つは持つように」
と言ってくれたが、素面の時に居酒屋でのネタ話を考える気にはなれなかったのです。
もう一人の 先輩の話もあります。
この人は普段から 女好きで 社内の女性との噂話もいくつかあります。
この先輩に 「今日帰りに待つとれ」 と言われ、 退社の門を出ると○○屋に行くと言う。
店に近づくと
.....「わしのことを課長と呼ぶように」 と言われた。
気がついて見ると いい方のスーツにネクタイのいでたちで それでも似合ってました。
その店は料金が、少し高くテーブル式で 酌の女が付きます。
私は何回か行って、浅い顔なじみぐらいです
先輩が目当ての女を座らせ、女と私に酒を呉れながら返事のしようもない おしゃべりをしだした。
「催促だ」と、分かったのですが、 同じ作業仲間の仕事の下手な年齢だけ先輩に、「課長」とは呼べず、
やっとのことで
......「この方は私の上司の課長さんで、何時も怒られてます」
と紹介したが、女にはバレているのが見え見えです。
 知らんふりをしていたのですが、 この女は私のなじみさんだったのが、なお悪いのです。
当の先輩が手のひらを見せて 「いやいや」 とかいったと思う。 その後も 「課長」 とは呼べず、
面白くもないので、 「お先に失礼」 と表に逃げて 先輩も チョロイ なと思いながら 行きつけの
飲み屋に入った。 
....翌日 「首尾は」 と聞くと 「アカン」 と言う答えだった。
...「あんたのこと 課長と 言えるわけない」
と言って二人で大笑いした。
それよりも 腹の中では当然の成り行きと評価していました
この課長 そんなことで失敗しても けろっとしているのが面白い。
.....「いつものこっちゃ」 と笑い、 
「誰にも言うな」 と私に言ったが、 自分が げらげらと、仲間にふ
れまわっているのもいつものことです。
うわさでは、奥さんが強くて 女の遊びがばれると、当の旦那を、路地で、追っかけ回すそうですが、 
 この自称課長 懲りない性分なんですね。
この人に付き物の女関係の失敗談で よくもまあ-- の話がしばしば仲間内のネタになって楽しい
お酒が飲めました。
ご提供ありがとうございました。   先輩を "だし" にして申し訳なかったです。
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